「京都大学人文学連携研究者」制度について
京都大学は大学創設時以来、自然科学の研究・教育だけでなく、人文・社会科学の研究・教育の分野においても傑出した成果を上げてきました。2017年に文部科学省から「指定国立大学法人」の指定を受けた折にも、とくに京都大学については、わが国の人文・社会科学をけん引することが期待されるとされております。これを受けて、京都大学内で人文学の研究・教育を担う文学研究科、人間・環境学研究科、人文科学研究所の3部局は協議し、人文学の研究を一層推進するため、共同で「京都大学人文学連携研究者」の制度を設けました。人文学(社会学・心理学も含む)の研究をさらに深化させ国際化を推進するとともに、先端学術領域との連携も進展させて、京都大学が世界に向けて発信する「人文知の未来形発信」に寄与しうる基盤形成を図ることを目指しています。
本制度は、3部局の専任教員が受入教員となって、博士の学位を有する方またはそれと同等以上の卓越した研究能力を持つ方を連携研究者として受け入れるものです。審査と受入は3部局それぞれで行います。連携研究者となった方は、受入教員と連携しつつ定められた受入期間のうちに顕著な研究業績をあげて、京都大学からその成果を発信します。とくに人文学の研究を力強く進めている若手の研究者の方々が連携研究者となって、京都大学で、京都大学らしい研究を進めてくれることを設置3部局は期待しています。
本制度は2018年度より始まり、現在第2期の連携研究者を受け入れています。文学研究科では、下記の皆さんが連携研究者として活動しています。その成果は、本ホームページで随時発表してまいります。どうぞご期待ください。
年度 | 連携研究者氏名 | 受入教員氏名 | 研究題目 |
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2018 | 犬飼 由美子 | 出口 康夫 | 自己に関する哲学・哲学史的研究 |
安倍 里美 | 水谷 雅彦 | 理由の規範性と正当化の規範性の関係を解明する | |
山本 めゆ | 松田 素二 | 現代アフリカ社会におけるレイシズムとコローニアリズムの表象-ローズ像・ガンジー像の撤去運動から | |
山口 尚 | 海田 大輔 | 経験や決心という非因果的な要素で自由意志を分析する研究 | |
2019 | 田鍋 良臣 | 杉村 靖彦 | ハイデガー「黒ノート」の宗教哲学的研究 ― ユダヤ論をめぐって― |
黒羽 亮太 | 吉川 真司 | 朝廷文書からみた律令体制の展開過程 | |
徐 堯 | 落合 恵美子 | 福祉資本主義の多様性論による東アジア福祉国家の類型化 |