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2015年度授業概要

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系共通

○小長谷大介「科学史入門I」(講義)(前期 月3)

詳細未定

○伊藤和行「科学史入門II」(講義)(後期 火2)

詳細未定

○伊勢田哲治「科学哲学入門(上)」(講義)(前期 金3)

〔授業の概要・目的〕
科学哲学は「哲学」という視点から「科学」に切り込む分野である。本講義では、多様化のすすむ科学哲学のさまざまな研究領域を紹介し、受講者が自分の関心に応じて今後掘り下げていけるような「入り口」を提供する。 前期の講義においては、科学とはなにかという問題、科学的推論や科学的説明をめぐる問題を、科学全体に関わるテーマと個別の領域に関わるテーマに分けて論じる。

〔到達目標〕
科学とは何か、科学的推論とは何か、科学的説明は何か、といった問題について、科学哲学の基礎的な概念と考え方を理解し、それを適切に科学の具体的事例に適用できるようになる。

〔授業計画と内容〕
以下のそれぞれのテーマについて2~3週をかけて論じる。

  1. 科学とは何か
  2. 科学的推論
  3. 個別科学における科学的推論
  4. 科学的説明
  5. 個別科学における科学的説明

フィードバックについては授業内で指示する。

〔履修要件〕
特になし

〔成績評価の方法・基準〕
2回のレポートで評価を行う。評価は到達目標の達成度にもとづいて行う。
1回でもレポートをさぼると不可となるので注意されたい。

〔授業外学習〕
受講者は各授業前にテキストの該当箇所を読むことが期待されている。

〔教科書〕
サミール・オカーシャ 『科学哲学』(岩波書店)

〔参考書等〕
授業中に紹介する。

〔その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)〕
オフィスアワーは水曜日15:00-16:30を予定

○伊勢田哲治「科学哲学入門(下)」(講義)(後期 金3)

〔授業の概要・目的〕
科学哲学は「哲学」という視点から「科学」に切り込む分野である。本講義では、多様化のすすむ科学哲学のさまざまな研究領域を紹介し、受講者が自分の関心に応じて今後掘り下げていけるような「入り口」を提供する。 後期の授業では科学的実在論や科学の変化、科学と価値などのテーマを順にとりあげ、関連する個別科学におけるテーマも検討する。

〔到達目標〕
科学における実在の問題とは何か、科学はどのように変化するか、科学と価値の関係はどうなっているか、といった問題について、科学哲学の基礎的な概念と考え方を理解し、それを適切に科学の具体的事例に適用できるようになる。

〔授業計画と内容〕
以下のそれぞれのテーマについて2~3週をかけて論じる。

  1. 実在論と反実在論
  2. 個別科学における実在論問題
  3. 科学の変化と科学革命
  4. 個別科学における変化の問題
  5. 科学と価値

フィードバックについては授業内で指示する。

〔履修要件〕
特になし

〔成績評価の方法・基準〕
2回のレポートで評価を行う。評価は到達目標の達成度にもとづいて行う。
1回でもレポートをさぼると不可となるので注意されたい。

〔授業外学習〕
受講者は各授業前にテキストの該当箇所を読むことが期待されている。

〔教科書〕
サミール・オカーシャ 『科学哲学』(岩波書店)

〔参考書等〕
授業中に紹介する。

〔その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)〕
オフィスアワーは水曜日15:00-16:30を予定

○矢田部俊介「基礎演習Ia(論理学演習1)」(講義)(前期 火5)

詳細未定

○矢田部俊介「基礎演習IIb(論理学演習2)」(講義)(後期 火5)

詳細未定

特殊講義(学部・大学院共通)

○伊藤和行「量子力学の歴史」(後期 木2)

詳細未定

○伊勢田哲治「統計の哲学とその含意(Philosophy of Statistics and Its Implications)」(総合生存学館提供科目)(前期 水2)

〔授業の概要・目的〕
この特殊講義のテーマは科学の哲学的側面にかかわるさまざまな話題をとりあげる形で毎年変更されます。今年度は統計学の哲学とさまざまな科学分野におけるその含意について考える。統計学と統計的思考は多くの科学分野の核をなすが、その背景となる哲学が論じられることは少ない。この授業においては、統計学の哲学におけるいくつかの理論(ベイズ主義、尤度主義、錯誤統計学)とともに統計的方法を実際に使ういくつかの分野(統計力学、量子力学、集団遺伝学、社会調査など)を検討の対象にする。
The topic of this special lecture varies every year, picking up various topics related to the philosophical aspects of science. This year, we explore philosophy of statistics and its implication in various sciences. Statistics and statistical thinking are at the core of many scientific fields, but the philosophical basis behind it is rarely discussed. In this class, we look at several theories in philosophy of statistics (Bayesianism, Likelihoodism, and Error Statistics) along with several fields that actually use statistical method (statistical mechanics, quantum mechanics, population genetics, social survey etc.).

〔到達目標〕
科学に対する哲学的なものの見方というのがどのようなものか理解する。とりわけ、今年度の授業においては、統計学の哲学における諸理論と、そのさまざまな科学分野への含意を理解すること。授業で取り上げた哲学理論を具体的な事例に応用できるようになること。
To understand philosophical way of looking at science. In particular, this year, to understand various theories in philosophy of statistics and their implications for various scientific fields. To be able to apply the philosophical theories discussed in the class for concrete cases.

〔授業計画と内容〕
The lectures will be given both in Japanese and English.
Tentative list of topics (spend one or two weeks for each topic)

Part I: philosophy of statistics
-philosophy of probability
-Bayesianism
-classical statistics and its rationale
-likelihoodism
-error statistics
-Akaike information theory

Part II: Implications for various fields
-statistical mechanics
-quantum mechanics
-population genetics
-social survey

〔履修要件〕
No background is required, but if you are not familiar with philosophy of science ingeneral, please read some introductory book by yourself. Okasha’s introductory book (邦訳オカーシャ『科学哲学』) is recommended.

〔成績評価の方法・観点及び達成度〕
中間の論文計画の提出と期末論文の提出を総合的に100点満点(60点以上合格)で評価する。
評価は、授業で取り上げられた理論が適切に理解できているか、そうした理論が適切に具体例に適用できているか、という視点から行われる。講師の中間論文計画へのコメントへの反応も評価の対象となる。
A midterm paper project and the final paper. The project and the final paper as a whole is evaluated numerically, where full mark is 100 and passing mark is above 60.
The assessment is done from the viewpoint of (1) whether the paper reflects proper understanding of the theories discussed in the class and (2) whether the theories are properly applied to concrete cases. Responsiveness to the instructors comment to the paper project is also assessed.

〔授業外学習(予習・復習)等〕
宿題となったリーディングは事前に読み、クラスディスカッションに参加できるようにしておくことを求めます。
Students are expected to read the assigned reading before each class to be able to take part in the class discussion.

〔教科書〕
Reading assignments will be distributed in the class.

〔参考書等〕
授業中に紹介する。

〔その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)〕
オフィスアワーは水曜日15:00-16:30を予定
iseda.tetuji.6n@kyoto-u.ac.jp

○伊勢田哲治「人を対象とした科学の哲学」(後期 水2)

〔授業の概要・目的〕
科学の多様性はさまざまな形で哲学的考察の対象となってきているが、人間や人間の営みを対象とする諸領域(医学をはじめ人間を対象とする生命系諸科学、行動系科学、社会科学全般、モード2諸科学など)は、人間が関わらない領域に比べて独自の(しかもある程度共通の)問題をかかえることが多い。まず、人間に対しては他の研究よりもはるかに研究手法への制限がきびしい。次に人間は研究結果を理解し反応するため、予言の自己成就・自己否定という現象がおきる。また、知りたいことが他の自然科学的領域と異なって、「理解」である場合がある。もう一つ、研究結果の社会や政策への含意が非常に大きいために、研究の問題設定、基本概念、研究手法や結果の公開の方法など、あらゆる面で人間を対象とする研究は気をくばる必要がある。最後に、アクション・リサーチ(研究自体が積極的に特定の価値観にコミットして行われる研究)や当事者研究(研究主体として通常想定されないタイプの人々が自らを対象に行う研究)など、自然科学の研究モデルから大きくはみだす研究が存在する。これらの特徴について考えていくことで、人を対象とした研究の姿に哲学の立場から迫ることが本講義の目的である。

〔到達目標〕
人を対象とした科学の哲学に特有なさまざまな問題と、それらの問題が科学哲学の観点からどのように分析されるかを理解し、その理解した内容を具体例に当てはめて考えることができるようになる。

〔授業計画と内容〕
以下のそれぞれのテーマについて2~3週をかけて論じる。

  1. 人を対象とした科学とは
  2. 研究手法への制約
  3. 予言の自己成就と自己否定
  4. 研究目標としての「理解」
  5. 実践的含意の研究への影響
  6. アクション・リサーチと当事者研究

フィードバックについては授業内で指示する。

〔履修要件〕
特に履修要件はもうけないが、科学哲学の基礎的事項については知っているものという前提で授業が行われる。最低限オカーシャ『科学哲学』(岩波書店)は全体を読み理解しておくことが望ましい。

〔成績評価の方法・観点及び達成度〕
2回のレポートで評価を行う。評価は授業内容をどの程度理解できているか、またその理解した内容をどの程度活用して具体例が分析できているか、という視点から行う。

〔授業外学習〕
宿題となったリーディングは事前に読み、クラスディスカッションに参加できるようにしておくことを求める。

〔教科書〕
授業内で配布

〔その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)〕
オフィスアワーは水曜日15:00-16:30を予定

○林晋「ITと哲学の相即」(前期 月5)

詳細未定

○喜多千草「情報技術と戦争」(後期 木3)

詳細未定

○児玉聡「規範倫理学I」(前期 金5)

詳細未定

○児玉聡「規範倫理学II」(後期 金5)

詳細未定

演習(学部・大学院共通)

○伊藤和行「ダーウィンの進化論」(後期 火3)

詳細未定

○伊勢田哲治「イメージと論理:ギャリソンの科学哲学」(前期 水3)

〔授業の概要・目的〕
ピーター・ギャリソンの『イメージと論理:ミクロ物理学の物質文化』(1997)は重厚な事例研究に裏打ちされながら、物理学内部におけるさまざまなローカルな文化の存在と、その相互関係について哲学的な考察を行った著作であり、交易圏(trading zone) という独自の概念を提案したことでも知られる。本書の重要性はよく認識されるところでありながら、大部でテクニカルな内容のため、具体的な内容が検討されることは少ない。この授業では、いくつかの箇所を抜粋して読んでいくことで、ギャリソンの問題意識とプロジェクトの全体像を大づかみにすることを目指す。

〔到達目標〕
ピーター・ギャリソンの哲学的立場と事例研究を理解し、その議論を批判的に検討できるようになる。

〔授業計画と内容〕
基本的に一回の授業でテキスト15ページ程度を読み、それについてディスカッションする形ですすめる。学生は一人ないし複数で一回の発表を担当する(担当者は事前に決めておく)。
詳しくは授業開始時に連絡するが、Galison 1997 の第1章、第9章のほぼ全体と、他の各章の結論部分を主に読んでいく。
フィードバックについては授業内で指示する。

〔履修要件〕
特に履修要件はもうけないが、科学哲学の基礎的事項については知っているものという前提で授業が行われる。最低限オカーシャ『科学哲学』(岩波書店)は全体を読み理解しておくことが望ましい。

〔成績評価の方法・基準〕
発表の担当と期末のレポートを各50%で評価する。
発表については担当した箇所を正しく理解し、適切に紹介できているか、レポートについては、レポートのテーマとして選んだ箇所を理解し、適切に批判的な検討を行えているかどうかが評価基準になる。

〔授業外学習(予習・復習)等〕
参加者全員が事前に授業で扱う箇所のリーディングに事前に目を通す。担当者は担当箇所の内容をまとめたA4数ページ程度の資料を事前に準備する。

〔教科書〕
P. Galison (1997) Image and Logic: A Material Culture of Microphysics. The University of Chicago Press.
実際に読む箇所を授業内で配布

〔参考書等〕
授業中に紹介する。

〔その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)〕
オフィスアワーは水曜日15:00-16:30を予定

○伊勢田哲治「科学の不統一性」(後期 水3)

〔授業の概要・目的〕
「統一科学」は論理実証主義のスローガンの一つであり、科学の進むべき方向の一つのイメージとしてさまざまな科学分野が橋渡しされ、統一されていくことが目標とされた。そのスローガンが過去のものになってからも、科学哲学は暗黙のうちに科学を一枚岩のものととらえ、「科学一般」を扱う研究を行ってきた。しかし、1990年代には、科学の多様性と、その多様性を踏まえた新しい科学の諸分野の関わりのありかたが問題となるようになってきた。今回の演習ではその運動の中心となったアンソロジー『科学の不統一性』の論文などを読み、科学の諸分野の関係について一緒に考えたい。

〔到達目標〕
科学の不統一性という問題について科学哲学の中でどのような議論が行われているか理解し、それらの議論を批判的に検討できるようになる。

〔授業計画と内容〕
基本的に一回の授業でテキスト15ページ程度を読み、それについてディスカッションする形ですすめる。学生は一人ないし複数で一回の発表を担当する(担当者は事前に決めておく)。現時点ではテキスト中の以下のような論文を読むことを想定しているが、詳しくは受講生の興味に応じて決定する。
J. Cat “unity of science”stanford encyclopedia of philosophy
(http://plato.stanford.edu/entries/scientific-unity/)
I. Hacking “The disunity of science”
A. I. Davidson “Styles of reasoning, conceptual hisoty and the emergence of psychiatry”
J. Dupre “Metaphysical disorder and scientific disunity”
R. Creath “The unity of science: carnap, neurath and beyond”

フィードバックについては授業内で指示する。

〔履修要件〕
特に履修要件はもうけないが、科学哲学の基礎的事項については知っているものという前提で授業が行われる。最低限オカーシャ『科学哲学』(岩波書店)は全体を読み理解しておくことが望ましい。

〔成績評価の方法・基準〕
発表の担当と期末のレポートを各50%で評価する。
発表については担当した箇所を正しく理解し、適切に紹介できているか、レポートについては、レポートのテーマとして選んだ箇所を理解し、適切に批判的な検討を行えているかどうかが評価基準になる。

〔授業外学習(予習・復習)等〕
参加者全員が事前に授業で扱う箇所のリーディングに事前に目を通す。担当者は担当箇所の内容をまとめたA4数ページ程度の資料を事前に準備する。

〔教科書〕
Galison and Stump (1996) The Disunity of Science. Stanford University Press.
授業に使用する部分を配布

〔参考書等〕
授業中に紹介する。

〔その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)〕
オフィスアワーは水曜日15:00-16:30を予定

○伊藤和行・伊勢田哲治「科学哲学科学史セミナー」(前期・後期 金4)

〔授業の概要・目的〕
発表演習。四回生必修。卒論作成に向けて、卒論のプランや途中経過などの研究発表をしてもらいます。

〔授業計画と内容〕
欠席が多い学生には、発表しただけでは単位を与えないことがあるので注意してください。

授業時間割表

※上段は前期を、下段は後期を表す

1限 2限 3限 4限 5限
小長谷 講義
科学史入門I
※後期は授業なし
林 特講
ITと哲学の相即
※後期は授業なし
※前期は授業なし
伊藤 講義
科学史入門II
※前期は授業なし
伊藤 演習
ダーウィンの進化論
矢田部 基礎演習Ia
論理学演習
矢田部 基礎演習Ib
論理学演習
伊勢田 特講
統計の哲学
伊勢田 特講
人を対象とした科学の哲学
伊勢田 演習
ギャリソン
伊勢田 演習
科学の不統一性
※前期は授業なし
伊藤 特講
量子力学の歴史
※前期は
授業なし
喜多 特講
「情報技術と戦争」
伊勢田 講義
科学哲学入門(上)
伊勢田 講義
科学哲学入門(下)
伊藤・伊勢田
科哲史セミナーI
伊藤・伊勢田
科哲史セミナーII
児玉 特講
規範倫理学I
児玉 特講
規範倫理学II

集中・その他

  • 江間 「科学技術と社会のパンドラの匣」(8/25~28の予定)
  • 北島 「量子力学における実在と非局所性」(8/31~9/4の予定)


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