森岡正博
「生命の哲学」
■授業の概要・目的
「生命の哲学」というジャンルは、まだ世界的に見てもきちんと成立していません。西洋哲学では「生の哲学」という流派がありますが、19世紀以降の潮流に限定されています。「生命の哲学」という視点で世界哲学史を眺めてみれば、アジア、ヨーロッパにおいて、古代から現代まで幅広い哲学思想をすくい上げることができます。と同時に、「生命の哲学」という視点から、生と死、時間性、存在、人格、倫理などを再検討することができるはずです。また、生命倫理や環境哲学などのテーマも密接に関連します。この授業では、私が現在試みつつある「生命の哲学」の内容を紹介し、受講者と対話しながら進めたいと思います。哲学倫理専修以外の方にも興味を持てる内容にしたいと考えています。
■授業計画と内容
以下のトピックについて授業を行ないます。内容については、流れに応じて、柔軟に組み替えます。1)哲学とは何か、2)生命の哲学とは何か、3)誕生と誕生肯定、4)生まれてこなければよかったとはどういう意味か、5)人間のいのちの尊厳について、6)パーソンとペルソナ、7)現代から見たウパニシャッドとブッダの生命哲学、8)〈私〉の独在論と生命の哲学、9)生命学の方法論、など。
■成績評価の方法・基準
年度末レポートと平常点(出席、質問等のパフォーマンス)などにもとづく。
■教科書
使用しない。
■参考書
森岡正博『まんが 哲学入門』講談社現代新書 2013
■その他
私のウェブサイト www.lifestudies.org/jp に電子メール送付ページがあります。