講 義
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 講義 学部(2回生以上) |
曜日・時限 | 通年 金・5 | 教室 | 文学部新館 第6講義室 *教室が上記に変更となりましたのでご注意下さい |
題目 | 日本哲学史講義 | ||
概要・目的 | 日本哲学史研究の意義について考察するとともに、日本哲学史上論じられてきた主要問題について概観し、検討を加える。 | ||
内容 | 最初に総論として日本哲学史研究の意義および方法について考察する。その後、各論として言葉、経験、自己、他者、身体、技術、美、死等の哲学上の諸問題を取りあげ、西田幾多郎や田辺元、九鬼周造、和辻哲郎、三木清、西谷啓治らの思想を手がかりに、哲学的・哲学史的に考察する。 | ||
テキスト・参考文献 | 藤田正勝『西田幾多郎――生きることと哲学』(岩波新書) 藤田正勝編『日本近代思想を学ぶ人のために』(世界思想社) |
特殊講義
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 前期 月・4 | 教室 | 総合研究2号館 第9講義室 |
題目 | 田辺元の「種の論理」 | ||
概要・目的 | 西田幾多郎の後継者でもあり、批判者でもあった田辺元(1885-1962)の独自の哲学、いわゆる「種の論理」の内容と意義について検討する。 | ||
内容 | 田辺元の思索は多岐にわたったが、その中心に位置するのは、1934年以降発表されたいわゆる「種の論理」である。この「種の論理」がどのようにして形成されたのか、それはどのような内容をもつのか、それはどのような意義をもったのか、あるいはその現代的な意義はどこにあるのか等々の問題について、この時期に書かれた田辺の諸論文の読解を通して明らかにしたい。 | ||
テキスト・参考文献 | 『田辺元哲学選Ⅰ・種の論理』(岩波文庫) |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 後期 月・4 | 教室 | 総合研究2号館 第9講義室 |
題目 | 経験と言葉、および日本語の論理をめぐって | ||
概要・目的 | 経験と言葉との関わりを中心に、言葉(日本語)がどのような意味で哲学の問題になりうるのかを考察したい。 | ||
内容 | 経験と言葉ないし表現との関わり、日本語の論理的構造、日本語で思索する意義など、哲学と言葉との関わりについてさまざまな観点から考察を加えたい。さらに哲学的文献の翻訳の問題についても考えてみたい。 | ||
テキスト・参考文献 | 授業中に紹介する。 |
教官 | 田中久文 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 前期集中 | 教室 | 未定 |
題目 | 京都学派の諸問題 | ||
概要・目的 | 京都学派の哲学(西田、田辺、九鬼、和辻、三木、西谷、高山、戸坂ら)を、テーマ別に取り上げ、その現代的意義を探る。 | ||
内容 | ・生きる根拠(「絶対無」とニヒリズムの克服) ・創造の論理(「ポイエシス」と「構想力」) ・他者とどう向き合うか(疎隔と交通) ・新たな共同体の原理(「間柄」の倫理と「種」の論理) ・多元的な歴史の捉え方(文化相対主義と世界史の哲学) ・自然との共生(「自然史」の思想と環境倫理) |
||
テキスト・参考文献 | 授業中に指示する。 |
教官 | 高坂史朗 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 後期 火・4 | 教室 | 文学部新館 第3演習室 |
題目 | 近代日本哲学史と東アジア | ||
概要・目的 | 近代日本の哲学史を全体として考察する。また東アジアの比較の中で吟味する。 1.日本の近代化がどのようになされたか 2.西周によってPhilosophyが「哲学」と翻訳された意義 3.明治の時代に西洋哲学がどのように移植されたか 4.日本の哲学がどのように展開されたか 5.日本と東アジアとの思想史・哲学史的連関性 以上のことをを明らかにする。 |
||
内容 | 1 西洋近代と東アジア世界 2 西周と「哲学」 3 東アジアと「哲学」 4 三宅雪嶺・井上哲次郎の日本国家 5 清澤満之の精神主義 6 西田幾多郎『善の研究』の成立の意義 7 昭和6年の思想史的意義 8 和辻哲郎の『人間の学としての倫理学』 9 植民地帝国大学に立つ二人の哲学者 10 東アジア間の思想的対話 |
||
テキスト・参考文献 | 授業中に指示する。 |
教官 | 林 晋 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 後期 水・5 | 教室 | 総合研究2号館 第8講義室 |
題目 | パーティシペーションの思想 | ||
概要・目的 | 田辺元の種の論理における「種と個の関係性」の発想の源泉は、フランスの思想家、リュシアン・レビ=ブリュールの分有(participation mystique)の概念と、それに関連するマックス・シェーラーの知識社会学における teilhaben (参加)の概念であったことが、最近の田辺史料研究により明らかになっている。シェーラーとブリュールの親密性をもったパーティシペーションを、田辺は絶対弁証法的葛藤関係に置き換えた。それが種の論理の誕生をもたらしたのである。 これらの社会思想から、約一世紀を経た現在、それに極めて類似した思想がネットの世界を、そして実世界の動かしている。WEB2.0の中心概念「パーティシペーション」である。FacebookやTwitterは、すべてこのパーティシペーションの思想を基にしており、それは政治体制にさえ影響を持つまでになっている。 なぜ、そして、どの様に一世紀前の社会思想は、現代のネット・ヴァーチャル社会の思想に「生まれ変わった」のだろうか。それを解明する。 |
||
内容 | 次の項目を、それぞれ1-2回講義する。 A. 導入部 A1.ビル・オライリーの「参加」:集合知、Yahoo知恵袋、SNS、ジャスミン革命… A2.個がネットに飲み込まれ「融即」する時代 B. 20世紀初頭の思想群 C. 21世紀の「融即」 毎回最後の5分程度に質問票を書いてもらう時間をとる.次回に,それの主なものに答える. |
||
テキスト・参考文献 | パートBについては、田辺元「種の論理」(岩波文庫)、レビ=ブリュール「未開社会の思惟」(岩波文庫、現在版切れ、古書として手に入る)、シェーラー全集(白水社)などが参考となる。 パートCは、関連する文書の殆どがWEB上の文書や最近の論文である。WEBのものは、適宜URLを紹介する。 |
||
その他 | KULASIS以外に講義用のサイトを開設し、講義資料、特にパートCの参考文献などを掲示する。そのサイトのURLは最初の講義の際に伝える。 |
演 習
教官 | 秋富 克哉 | 種別 | 演習 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 通年 火・2 | 教室 | 総合研究2号館 第9演習室 |
題目 | 西田幾多郎『一般者の自覚的体系』を読む | ||
概要・目的 | 西田哲学の展開にとって決定的となった「場所」の思想は、『働くものから見るものへ』所収の論考「場所」において明確な一歩をしるす。しかし、それは直ちにこの画期的な思想の確立を意味するものではない。本演習の目的は、論考「場所」の立場を踏まえながら、その後の発展過程を、テクスト読解を通して吟味し考察することである。主に『一般者の自覚的体系』所収の論考を取り上げながら、西田哲学の運動そのものに立ち向かいたい。 | ||
内容 | 前期は、「場所」思想成立の過程を確認するため、純粋経験/自覚との連関を押さえながら、『働くものから見るものへ』所収の「左右田博士に答ふ」から出発し、次いで『一般者の自覚的体系』所収の論考に進む。後期も、引き続き『一般者の自覚的体系』を読み進めていく。取り上げる予定の論考は、「述語的論理主義」「自己自身を見るものの於いてある場所と意識の場所」「叡智的世界」「一般者の自己限定」であるが、進度を踏まえながら適宜調整していきたい。 | ||
テキスト・参考文献 | 西田幾多郎『西田幾多郎全集 第4、5巻(旧版)、第3、4巻(新版)』(岩波書店) (テクストはこちらでも準備する。) | ||
その他 | 毎時間、プロトコルと報告の担当者は、レジュメの用意が必要である。また、テクストを読んでいることを前提に授業を進めるので、参加者は最低限該当箇所を予習して臨むこと。質問等は、講義後あるいはメール(アドレスは、授業中に指示)で行う。 |
教官 | 芦名定道 | 種別 | 演習 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 通年 水・4 | 教室 | キリスト教学 研究室 |
題目 | 日本・アジアのキリスト教──波多野精一(5)── | ||
概要・目的 | 日本・アジアのキリスト教の歴史を振り返りつつ、その新しい思想的可能性を探ることは、日本におけるキリスト教思想研究にとって重要な意味を有している。今年度取り上げられる波多野精一は近代日本を代表するキリスト教思想家であるが、この演習では、波多野のテキストを精読することを通して、波多野の宗教思想についての理解を深め、キリスト教的宗教哲学の可能性について考える。 | ||
内容 | 本年度は、昨年度まで完了した、波多野宗教哲学三部作(『宗教哲学』『宗教哲学序論』『時と永遠』)それぞれの個別的な内容から、波多野宗教哲学の体系的理解へと考察が進められる。宗教哲学の方法論、体系構成、事実・経験概念、哲学的人間学、宗教類型論といった宗教哲学の基礎に関わる事項、あるいは、神秘主義と擬人観、愛、死、象徴、他者、永遠、創造、救済などの個々のテーマとについて、三部作を縦横に用いた分析を行いたい。それによって、波多野宗教哲学を、トレルチ、ハイデッガー、ティリッヒ、レヴィナス、西田幾多郞らとの本格的な比較が可能になるもの と思われる。合わせて、これまでの演習で扱えなかった文献(「西洋宗教思想史(希臘の巻)」)についても精読を行いたい。演習は、テキストの精密な読解に基づいて、関連事項について考察し、波多野研究を参照しつつ進められる。 | ||
テキスト・参考文献 | テキストはコピーして配付する。 | ||
その他 | 受講者は、毎時間のテキストの予習と演習への積極的参加が求められ、特に前期後期各一回以上の発表担当が課せられる。演習に関わる質問は、オフィスアワー(木2・金3)を利用するか、メール(アドレスは、授業にて指示)で行うこと。 |
教官 | 林 晋 | 種別 | 演習 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 通年 金・2 | 教室 | 文学部新館 第2講義室 |
題目 | 田辺元を読む | ||
概要・目的 | 手稿・日記などの一次資料を通して過去の偉大な思索者の思想を読み解く.今年度の対象は,哲学者田辺元の種の論理が誕生した昭和9年の特殊講義「認識の形而上学」の講義準備ノートである.これは田辺の読みにくい筆跡のため,田辺元没後約50年間,哲学の専門家にも読めなかった史料だが,史料分析用ITツールを利用することにより,田辺哲学を理解していない学部学生でも十分解読ができている.演習を通して,まだ誰も読めていない史料を始めて読むことの面白さを経験してもらう. | ||
内容 | まず史料の背景を説明する講義を行い,その準備のもとで演習を行う.史料読みの演習では, 史料のオリジナルではなく,その電子画像を使かい,難解な崩し字を読むために,歴史史料研究用のツール SMART-GS を使う.出席者の知識や能力に応じて,講義と演習の比重は変化する.史料2枚(原稿用紙2枚)程度を,2名のチームで担当し,1チームが2,3週を担当することを計画しているが,参加者の人数などで変化する. | ||
テキスト・参考文献 | なし | ||
その他 | 手稿分析などに史料分析用ソフトウェアSMART-GSを多用する.講義参加者用のノートPCを数台用意しているが,自習などを考慮し自分のPCを持ってくるとよい.データなどは,外付けハードディスクに入れて貸与する. |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 卒論演習 学部 |
曜日・時限 | 隔金・3‐4 | 教室 | 日本哲学史研究室 |
題目 | 卒論演習 | ||
概要・目的 | 卒業論文の作成に向けて、その準備を行う。 | ||
内容 | 卒業論文の作成に必要な事項について学ぶとともに、参加者の発表 をもとに日本哲学史上の諸問題について議論し、卒業論文作成の準備 を行う。日本哲学史専修4回生以上は必修。 |
教官 | 藤田正勝 | 種別 | 演習II 大学院 |
曜日・時限 | 隔金・3‐4 | 教室 | 日本哲学史研究室 |
題目 | 日本哲学史の諸問題 | ||
概要・目的 | 参加者の発表を中心に、日本哲学史上の諸問題について討議を行う。 | ||
内容 | 参加者の発表と討議を中心に行う。参加者それぞれが研究するテーマについて発表を行い、それをもとに日本哲学史上の諸問題について議論する。日本哲学史専修大学院生は必修。 |
講 読
教官 | 水野友晴 | 種別 | 講読 学部(2回生可) |
曜日・時限 | 通年 木・4 | 教室 | 文学部新館 第5講義室 |
題目 | 西田幾多郎『善の研究』講読 | ||
概要・目的 | 『善の研究』に代表される初期西田哲学のテキスト群は、西田哲学のみならず近代日本哲学全体の土台をなしているといっても過言ではない。『善の研究』が世に問われて100年、それらにどのような由来があるのか、また、それらを見ることを通してどのような世界貢献と現代社会への応用の可能性が開かれてくるのか、本講義では積極的なディスカッションを通じて以上のことがらを学び、深め、共有する場を提供することを目的とする。 また、『善の研究』を正確に読むためには、同時代の哲学に対する基礎的教養を有している必要があるが、本講読では補助教材等を利用してそういった知識を習得することも併せて目的とする。 |
||
内容 | 本講読では『善の研究』を章単位で読み進めてゆくことにする。あらかじめ設定した課題に基づいて参加者が発表を行い、発表後、講評やディスカッションを通じて『善の研究』の背景と思想的意義、さらには発展の可能性などについて考究してゆくことにしたい。 | ||
参考文献 | 西田幾多郎『善の研究』(岩波文庫) (本講読では、岩波文庫版の『善の研究』を底本とするので、必ず入手のこと) 西田幾多郎/全注釈小坂国継『善の研究』(講談社学術文庫) |
||
その他 | 本講読では、学生による積極的な授業参加を期待している。特に授業中におけるディスカッションへの参加を重視しているので、欠席せず、自らの所信を臆することなく披露するようにしてもらいたい。 |