講 義
教官 | 上原 麻有子 | 種別 | 講義 学部(2回生以上) |
曜日・時限 | 前期 火・5 | 教室 | 総合研究2号館 第8講義室 |
題目 | 日本哲学史講義1 | ||
概要・目的 | 日本哲学史を①近代初頭から西田幾多郎まで、②京都学派の二部に分けて日本哲学の形成過程を概観し、さらに、これまで論じられてきた主要問題を通して日本哲学のあり方、意義について検討する。このようにして日本哲学史についての理解を深めることが、授業の目的である。 | ||
内容 |
以下のような課題に基づき、各課題につきおよそ次の回数で授業を進める予定である。
①ガイダンス:「日本哲学」とは何か【1回】 ②西田幾多郎【4回】 ③近代初頭から西田幾多郎までの哲学史と哲学研究方法の特徴【4回】 ④京都学派【4回】 ⑤まとめ【1回】 |
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テキスト・参考文献 | 授業中に紹介する |
教官 | 上原 麻有子 | 種別 | 講義 学部(2回生以上) |
曜日・時限 | 後期 火・5 | 教室 | 総合研究2号館 第8講義室 |
題目 | 日本哲学史講義2 | ||
概要・目的 |
京都学派とその周辺の哲学者の思想を、いくつかのテーマを追う形で考察することが、この授業の目的である。さらに、講義で考察する日本哲学の問題が、私たち各自の経験においてどのような意義をもつのか、その経験とどのように結びつき得るのかについても検討する。
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内容 |
以下のような課題(日本哲学史上の主要問題)を講義では扱うが、1課題に充てる講義の回数は2~3回である。
①偶然と運命 ②生と死 ③人間関係 ④風土 ⑤日本語と哲学 ⑥日本における主体とsubject |
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テキスト・参考文献 | 授業中に紹介する |
特殊講義
教官 | 上原 麻有子 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 前期 水・4 | 教室 | 文学部新館 第9演習室 |
題目 | 日本哲学と翻訳 | ||
概要・目的 |
この講義では、日本哲学を翻訳と言葉の観点から検討する。それは、具体的には次の三つの方法を通して行われる。1)田辺元独自の弁証法から、言語記号の作用がどのようなものであるかを明らかにする。その際、ヘーゲルの弁証法における言語作用を参考にする。ここでは、田辺が提示した翻訳不可能性の問題について検討する。2)西田幾多郎の「私と汝」の間主体的な対話における言葉の働きがどのようなものであるかを明らかにし、同一言語内の翻訳の問題について検討する。3)中井正一の映画理論における技術の問題を取り上げ、技術も一種の翻訳として、つまりヤコブソンの言うような異なる記号間の翻訳として捉える。
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内容 |
以下のような課題を通して考察を深めてゆく。各課題に充てる予定の回数を、【 】内に示しておく。 ①ガイダンス:田辺元・西田幾多郎・中井正一の哲学の紹介【1回】 |
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テキスト・参考文献 | 授業中に指示する |
教官 | 上原 麻有子 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 後期 水・4 | 教室 | 文学部新館 第9演習室 |
題目 | 日本哲学と女性哲学 | ||
概要・目的 |
近代の日本哲学の哲学者たち、西田幾多郎、田辺元、九鬼周造等は、「実存」について、それぞれに思索を深めた。彼らは、実存の性差という問題は扱っていないが、彼らの思索に理論的に性差を読み取ることは可能なのか。これが、この講義の最初の問いである。一方で、近代以降、哲学研究のアカデミックな世界の中で、女性の存在の数は大変限られたものであるという現実がある。この問題を検討するために、西田幾多郎の姪で、女性哲学者の高橋ふみを取り上げてみたい。そして、性差の問題をフェミニズムの観点からのみ扱うのではなく、より根本的な人間存在の差異という問題から掘り下げ、京都学派的な「自覚」と間主体性を手掛かりに、性差のある実存とは何であるかを明らかにすることが、講義の目的である。その際、同時に、ハイデガー、レヴィナス、フランスのフェミニスト哲学者、ボーヴォワール、イリガライなどを手掛かりとする。
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内容 | 以下のような課題を通して考察を深めてゆく。各課題に充てる予定の回数を、【 】内に示しておく。
①ガイダンス―趣旨説明(日本哲学から女性哲学を形成する意図)【1回】 |
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テキスト・参考文献 | 授業中に紹介する |
教官 | 氣多 雅子 | 種別 | 特殊講義 全回生 |
曜日・時限 |
前期 火・4
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教室 | 第10演習室 |
題目 | 京都学派の宗教哲学 | ||
概要・目的 | 京都学派の哲学の展開のなかで、「宗教哲学」がどのような仕方で、どのようなものとして形成されてきたかということを明らかにするとともに、その「宗教哲学」の独自性を解明してみたい。 | ||
内容 | およそ次のようなスケジュールで進める予定であるが、研究のなまの成果を伝えることを主眼とするので、スケジュール通りにいかないこともありうる。 (1)授業のテーマについて、(2)西田幾多郎の論理の追究、(3)西田幾多郎の宗教の思惟1、(4)西田幾多郎の宗教の思惟2、(5)西田幾多郎の宗教の思惟3、(6)鈴木大拙の大地の思想1、(7)鈴木大拙の大地の思想2、(8)西谷啓治の神秘主義研究、(9)西谷啓治のニヒリズム研究、(10)西谷啓治の禅思想研究、(11)京都学派の宗教哲学1、(12)京都学派の宗教哲学2、(13)京都学派の宗教哲学3、(14)宗教哲学の系譜のなかで、(15)まとめ |
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テキスト・参考文献 | 授業中に紹介する |
教官 | 氣多 雅子 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 |
後期 火・4
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教室 | 第10演習室 |
題目 | 宗教と非宗教の間 | ||
概要・目的 | 現代世界における宗教哲学の課題を宗教と非宗教との間で思惟することであると捉え、この課題がどのように追究され得るかを考察する。 | ||
内容 | およそ以下のようなスケジュールで進める予定であるが、研究のなまの成果を伝えることを主眼とするので、スケジュール通りにゆかないこともありうる。 (1)授業のテーマについて、(2)現代の宗教的状況1、(3)現代の宗教的状況2、(4)宗教哲学の課題1、(5)宗教哲学の課題2、(6)これまでの宗教哲学の問題点、(7)京都学派の宗教哲学、(8)宗教と非宗教の間1、(9)宗教と非宗教の間2、(10)論理の力と表象の力1、(11)論理の力と表象の力2、(12)歴史と永遠1、(13)歴史と永遠2、(14)思惟の可能性、(15)まとめ なお、フィードバックの方法は授業中に説明する。 |
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テキスト・参考文献 | 授業中に紹介する |
教官 | 小野 真龍 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 後期 木・3 | 教室 | 第2講義室 |
題目 |
日本的な「聖なるもの」とは何か~日本宗教儀式音楽「雅楽」の場からのアプローチ
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概要・目的 | 西谷啓治は日本人のフォルクス・レリギオンを「清く明き心」(「神ながら」の心)と指摘し、この神道的な心は「自分自身を深めるという形で仏教の精神を取り入れ」てきた、という(「日本文化について」)。日本のフォルクス・レリギオンによる「生きた同化作用」は明治以後の西洋哲学の受容の局面でも同様に働いていたことであろう。 聖徳太子による仏教の本格的導入以来、このような日本人の宗教的感性は1400年にわたって神道と仏教の緊張と融合のはざまで練り上げられてきた。この間、神道・仏教のどちらの儀式の場にも共通して用いられてきた、日本のフォルクス・レリギオンの式楽が「雅楽」である。雅楽の象徴的意味やそれが奏された儀礼的な場の展開を探求することによって、そこに顕現している日本固有の「聖なるもの」の諸相を確認することがこの授業の目的である。 |
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内容 | 基本的には以下のプランに従って講義を進める。 1.基礎概念の検討:西洋的な「聖なるもの」概念の限界・「聖なるもの」と哲学 2.古代神道の祭りと音楽:カミとの交流手段・鎮魂(たまふり)の技としての音楽 3.仏教と音楽:大乗仏教における音楽の役割 4.日本仏教と音楽:日本宗教の「聖なるもの」と音楽のあり方を決定づけた聖徳太子 5.東大寺大仏開眼供養会(752年)のコスモロジー:神仏習合の端緒 6.宮廷における「雅楽」の成立:御神楽の儀の成立による神仏隔離 7.浄土信仰と「雅楽」:大乗仏教的雅楽の極致 8.鎌倉期以降の雅楽伝承と「聖なるもの」の維持 9.神仏分離の衝撃:国家神道による日本的「聖なるもの」と近代雅楽の歪みと回復 |
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テキスト・参考文献 | 授業中に指示する。 |
教官 | 檜垣 立哉 | 種別 | 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 前期集中 | 教室 | 未定 |
題目 | フランス哲学と日本哲学の交錯 | ||
概要・目的 | 京都学派の流れのなかでフランス哲学との交錯はおおきいものの看過されがちな主題でもある。しかし西田幾多郎におけるベルクソンとのかかわりやそれへの批判、(フランスというのには語弊があるが広い意味での)ライプニッツ主義とのかかわり、九鬼周造とフランス思想との交錯、田邊元における後期のマラルメやブランショの重視など、京都学派の流れのなかには相当にフランス思想との交錯がみてとれる。それはむしろフランスポストモダンといわれる思想のなかへの「逆照射」するような力をはらんでいる。一連の講義をとおして、フランス哲学と日本哲学との交錯とそれに視点を定めることによってみいだしうる生産性についてのべてみたい。 | ||
内容 | 第一週~第五週 西田幾多郎とフランス哲学 第六週~第九週 九鬼周造とフランス哲学 第十週~第十二週 後期田邊の思想とフランス哲学 第十三週~第十五週 フランス哲学との交錯からみた日本思想の拡がり |
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テキスト・参考文献 | 檜垣立哉『日本哲学原論序説』(人文書院) ISBN:9784409041079 (一応これの内容が中心になります。)
檜垣立哉『西田幾多郎の生命哲学』(講談社) (現在電子出版としてありますが、古本など関心のあるかたはどうぞ) |
演 習
教官 | 上原 麻有子 | 種別 | 演習 学部(4回生以上) |
曜日・時限 | 通年 金3・4 | 教室 | 日本哲学史研究室 |
題目 | 卒論演習 | ||
概要・目的 |
授業の目的は次の通りとする。①日本哲学の分野における論文の書き方(表現、論証、資料の調査・活用など)を習得する。②研究報告を行い、口頭による発表・議論の仕方を習得する。③卒業論文を作成する。
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内容 |
授業は、履修者の卒業研究発表とそれに関する議論をもとに進められる。最初はまず、学術論文の書き方について教師の側から指導する。以降、履修者は前期に研究経過報告を、また後期には最終的な報告を、それぞれ口頭で行う。
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テキスト・参考文献 | 授業中に紹介する | ||
その他 | 日本哲学史専修の4回生以上については、必修とする。 |
教官 | 林 晋 | 種別 | 演習 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 通年 金・2 | 教室 | 林研究室 |
題目 | 田辺元を読む | ||
概要・目的 |
手稿・日記などの一次資料を通して過去の偉大な思索者の思想を読み解く.読み解く対象は,哲学者田辺元の種の論理が誕生した昭和9年の特殊講義「認識の形 而上学」の講義準備ノートである.これは田辺の特殊な筆跡のため没後50年間,田辺哲学の専門家にも読めなかった史料だが,本演習を通して開発された 「ITツールを利用する協同翻刻」の手法により,田辺哲学を理解していない学部学生でも十分翻刻ができるようになっている.また,そのことにより従来の田 辺哲学像,特に「種の論理」の解釈が大きく変わりつつある.つまり,演習自体が最前線の研究なのである.この演習の目的は,このような史料とITに基づく 思想史研究の面白さを経験してもらい,その手法を身につけてもらうことであり,日本哲学史を専攻していなくても,史料研究に興味をもつすべての人に役立つ 演習となることを目指している.
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内容 |
まず史料の背景を説明する講義を行い,その準備のもとで演習を行う.史料読みの演習では, 史料のオリジナルではなく,その電子画像を使い,難解な崩し字を読むために,歴史史料研究用のツール SMART-GS を使う.出席者の知識や能力に応じて,講義と演習の比重は変化する.史料2枚(原稿用紙2枚)程度を,2名のチームで担当し,1チームが2,3週を担当す ることを計画しているが,参加者の人数などで変化する.
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テキスト・参考文献 |
http://sourceforge.jp/projects/smart-gs/(演習に使うITツールのページ)
http://kyoto-gakuha.info/(演習の成果が公開されるデジタル・アーカイブ)
http://www.shayashi.jp/xoopsMain/html/modules/wordpress/index.php?p=234(本演習で過去に得られた成果を紹介している岩波「思想」の記事)
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その他 |
手稿分析などに史料分析用ソフトウェアSMART-GS http://sourceforge.jp/projects/smart-gs/ を多用する.講義参加者用のノートPCを数台用意しているが,自習などを考慮し自分のPCを持ってくるとよい.データなどは,外付けハードディスクに入れて貸与する.
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教官 | 芦名 定道 | 種別 | 演習 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 前期 金・2 | 教室 | キリスト教学研究室811号室 |
題目 | 日本・アジアのキリスト教──無教会キリスト教の系譜(7)── | ||
概要・目的 |
日本・アジアのキリスト教の歴史を振り返りつつ、その新しい思想的可能性を探ることは、日本におけるキリスト教思想研究にとって重要な意味を有している。この演習では、年度や学期を超えて、無教会キリスト教の思想家たちを順次検討してゆくことによって、近代キリスト教思想の重要な局面の解明がめざされている。今年度前期は、昨年に引き続き、無教会キリスト教における内村鑑三の後継者の一人である、南原繁のテキストを読み進める。
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内容 | 初回の授業では、本演習のオリエンテーションを行い、演習の目的や進め方を確認する。 二回目以降は、南原繁『自由と国家の理念』(著作集第三巻、岩波書店)に収録の諸論考を、担当者の解説を通して、順番に精読してゆく。 |
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テキスト・参考文献 | 南原繁『自由と国家の理念』(岩波書店) ISBN:4-00-092693-4 テキストは、使用部分について、コピーを用意する。 |
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その他 |
受講者は、毎時間のテキストの予習と演習への積極的参加が求められ、特に数回の発表担当が課せられる。演習に関わる質問は、オフィスアワー(火3・水4)を利用するか、メール(アドレスは、授業にて指示)で行うこと。
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教官 | 芦名 定道 | 種別 | 演習 学部(3回生以上)・大学院 |
曜日・時限 | 後期 金・2 | 教室 | キリスト教学研究室811号室 |
題目 | 日本・アジアのキリスト教──無教会キリスト教の系譜(8)── | ||
概要・目的 |
日本・アジアのキリスト教の歴史を振り返りつつ、その新しい思想的可能性を探ることは、日本におけるキリスト教思想研究にとって重要な意味を有している。この演習では、年度や学期を超えて、無教会キリスト教の思想家たちを順次検討してゆくことによって、近代キリスト教思想の重要な局面の解明がめざされている。今年度後期は、無教会キリスト教の原点にもどって、内村鑑三の社会論に関わる諸論考を読み進める。
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内容 | 初回の授業では、本演習のオリエンテーションを行い、演習の目的や進め方を確認する。 二回目以降は、内村鑑三『社会の変革』(内村鑑三選集6、岩波書店)に所収の諸論考を、担当者の解説を通して、順番に精読してゆく。 |
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テキスト・参考文献 | 内村鑑三『社会の変革』(岩波書店) ISBN:4-00-091585-1 演習で扱う諸論考については、コピーを準備する。 |
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その他 |
受講者は、毎時間のテキストの予習と演習への積極的参加が求められ、特に数回の発表担当が課せられる。演習に関わる質問は、オフィスアワー(火3・水4)を利用するか、メール(アドレスは、授業にて指示)で行うこと。
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教官 | 藤田 正勝 | 種別 |
演習 学部(2回生以上)・大学院
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曜日・時限 | 前期 水・5 | 教室 | 第4演習室 |
題目 | 西田幾多郎の「宗教」をめぐる思索 | ||
概要・目的 |
西田幾多郎は『善の研究』の「序」において、この書の第四編「宗教」について、「かねて哲学の終結と考えている宗教について余の考えを述べたものである」と記しているが、西田は初期から一貫して「宗教」の問題を哲学の要と位置づけていた。そして最後に発表した論文も「場所的論理と宗教的世界観」と題したものであった。しかし西田の宗教をめぐる思索は時期とともに大きく変化している。その跡を追い、西田が「宗教」のもとに何を理解していたか、それを彼の思想全体のなかにどのように位置づけていたかを明らかにしたい。
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内容 | 最初に西田幾多郎の生涯と思想について簡単に紹介する。 そのあと、『善の研究』第四編「宗教」や最後の論文「場所的論理と宗教的世界観」など、「宗教」の問題について論じた西田の主要な論考を読み進め、西田の宗教理解の特徴はどこにあるのかを明らかにしたい。さらにそれを通して、西田哲学とは何か、日本の哲学の歴史のなかでそれはどのような意味をもつのか、などについて考察を加えたい。第1回: イントロダクション 第2~14回: 『善の研究』第四編「宗教」、「山本安之助君の「宗教と理性」と云う論文を読みて所感を述ぶ」、「愚禿親鸞」、「場所的論理と宗教的世界観」などを順次、精読する。各回、担当者の報告をもとに、全員で議論を行うことによって、理解を深めたい。 第15回: まとめ |
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テキスト・参考文献 | 『善の研究』は岩波文庫版、あるいは『西田幾多郎全集』(旧版、新版とも第1巻)、「山本安之助君の「宗教と理性」と云う論文を読みて所感を述ぶ」は旧版全集第13巻、新版全集第11巻、「愚禿親鸞」は『西田幾多郎随筆集』『思索と体験』(ともに岩波文庫)または全集(旧版、新版とも第1巻)、「場所的論理と宗教的世界観」は『西田幾多郎哲学論集III』(岩波文庫)あるいは旧版全集第11巻、新版全集第10巻に収録のものを使用する。いずれの版を用いてもよい。出席者は自分でテキストを用意すること。 | ||
その他 |
拙著『西田幾多郎――生きることと哲学』(岩波新書)の第4章「論理化をめざして――場所」を予め読んでおいてください。
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基礎演習
教官 | 竹花 洋佑 | 種別 |
基礎演習 学部(2回生以上)
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曜日・時限 | 前期 木・2 | 教室 | 第3演習室 |
題目 | 歴史をめぐる京都学派の思想-三木清の『歴史哲学』を中心に- | ||
概要・目的 |
「歴史とは何か」という問題を、三木清(1897-1945年)の『歴史哲学』(1932年)を読み解くことを通して考察してくことが、授業の目的である。一般的に、歴史とは実際に過去に起こった出来事を指すと見なされている。しかし、歴史は、語られ、書かれなければ、歴史とはならない。出来事がなければ歴史は書かれることはないが、書かれることを通して歴史は歴史として存在する。三木は、歴史のこのような二つの側面の前者を「存在としての歴史」、後者の記述された歴史を「ロゴスとしての歴史」と名付け、これらとは別に「事実としての歴史」が両者の根源にあると考えた。果たして本当に、「事実としての歴史」という第三の歴史を想定することは可能なのか。この問いを、京都学派の他の歴史哲学や、現在の歴史の物語論との関係で、共に考えていくことにしたい。
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内容 | 毎回、指定された購読箇所を受講者の一人ないしは二人に発表してもらい、それに基づいてディスカッションを行なっていく。
授業計画は以下の通りである。 第1回 イントロダクション |
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参考書等 | 三木清『歴史哲学』(岩波書店) (『三木清全集』第6巻所収) 上記の論文のコピーを配付する。他のテキストについてもその都度授業中にコピーを配布する。 |
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その他 |
教官 | 日髙 明 | 種別 |
基礎演習 学部(2回生以上)
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曜日・時限 | 後期 月・3 | 教室 | 第10演習室 |
題目 | 『善の研究』講読 | ||
概要・目的 |
「明治以後に邦人のものした最初の、また唯一の哲学書」(高橋里美)と評された西田幾多郎の『善の研究』は、幅広い読者を得て、日本哲学史上に強い影響を残した。本基礎演習では、この『善の研究』を精読する。回ごとに一章を取り上げ、一文一文を精細に読んでいく。「講読」であるので、『善の研究』のコンテンツそのものよりも、「いかに読むか」ということを重視する。そのため受講者には、文章を解釈するにあたってたすけとなる基礎的な知識や関連事項についての手短な発表を課し、この発表を踏まえてディスカッションを行う。発表やディスカッションを通して、たんなる情報のインプットに終わらない「読む」経験を、みなで積んでいきたい。
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内容 | 『善の研究』全四編のうち、とくに第一編「純粋経験」と第二編「実在」を中心に読み進める。 第一回: オリエンテーション 第二回:『善の研究』の成立と構成 第三回から第六回: 第一編「純粋経験」 第七回から第十一回: 第二編「実在」 第十二回から第十四回: 第三編「善」および第四編「宗教」 第十五回: まとめ |
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教科書 |
西田幾多郎『善の研究』(岩波文庫)ISBN:978-4-00-331241-4(極力、岩波文庫の最新版(藤田正勝注解)を用意すること。
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その他 |
前年度までの授業