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2014年度の授業

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日本哲学史研究室ホーム

講  義

教官 上原 麻有子 種別 講義 学部(2回生以上)
曜日・時限 前期 火・5 教室 総合研究2号館 第8講義室
題目 日本哲学史講義1
概要・目的 日本哲学史を①近代初頭から西田幾多郎まで、②京都学派の二部に分けて日本哲学の形成過程を概観し、さらに、これまで論じられてきた主要問題を通して日本哲学のあり方、意義について検討する。このようにして日本哲学史についての理解を深めることが、授業の目的である。
内容 以下のような課題に基づき、授業を進める予定である。
①「日本哲学」と「哲学」の定義
②日本哲学史研究の方法
③近代初頭から西田幾多郎までの哲学
④西田幾多郎の哲学
⑤京都学派の哲学
テキスト・参考文献 授業中に紹介する
教官 上原 麻有子 種別 講義 学部(2回生以上)
曜日・時限 後期 火・5 教室 総合研究2号館 第8講義室
題目 日本哲学史講義2
概要・目的 日本哲学史を①近代初頭から西田幾多郎まで、②京都学派の二部に分けて日本哲学の形成過程を概観し、さらに、これまで論じられてきた主要問題を通して日本哲学のあり方、意義について検討する。このようにして日本哲学史についての理解を深めることが、授業の目的である。
内容 以下のような課題(日本哲学史上の主要問題)を、1課題につき2~3回の授業で扱う予定である。
①偶然と運命
②生と死
③人間関係
④風土
⑤日本語と哲学
⑥主体
テキスト・参考文献 授業中に紹介する

特殊講義

教官 上原 麻有子 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 前期 水・3 教室 文学部新館 第6講義室
題目 人称と日本哲学の可能性
概要・目的 西洋哲学の伝統において、「人称」は「自己」、「主語」の問題と深く関連しつつ発展してきた。日本哲学は、これらを翻訳によって摂取し言語形式を生み出したが、元来、日本語はいずれの事情も西洋の言語とは根本的に異なっている。講義の目的は、西田幾多郎の論述に現われた人称表現の使用、「自己」の用語・概念に焦点を当て、彼が取り組んだ西洋の哲学者による人称表現、「自己」と比較し、その独自の理論的効果や哲学的意味を追究することにある。またこれを通して、翻訳がいかに哲学に内在的な行為であるかも示してみたい。
内容 以下のような課題を通して考察を深めてゆく予定である。①西田の人称表現、「私」「我」「汝」や「自己」、これに関連する用語「自覚」と、 その英訳、仏訳とを比較し、翻訳上の問題を示す。(すでに出版されているものを参照。)
②西洋哲学史における「人称」と「自己」の問題の概観。
③仏教概念としての「自己」から西田が得たものは何か。
④西洋の哲学者による「人称」と「自己」を西田はどのように再解釈したのか。
⑤西洋語の「自己」の「再帰的」性質がもたらした西田の論理構築への影響。
テキスト・参考文献 授業中に指示する
教官 上原 麻有子 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 後期 水・3 教室 文学部新館 第6講義室
題目 京都学派の「美」と「芸術哲学」
概要・目的 「美」とは何か。「美」の表現を担う芸術家は、それをいかに表現するのか、「美」の表現とは何であるか。このような問題を西田幾多郎、田辺元、三木清、九鬼周造らが、感性と知性でどのように捉え、哲学化したのかを検討する。さらに本講義は、彼らの思索の中に京都学派の芸術哲学の系譜を辿り、それぞれの思索の関係性を浮き彫りにすることを目指す。
内容 4人の哲学者の主に以下のような著作、論考の読解を通して、考察を深める予定である。①西田:『芸術と道徳』(1923)、「歴史的形成作用としての芸術創作」(1941)
②田辺:『哲学の根本問題』(1949)、『ヴァレリイの芸術哲学』(1951)
③三木:『文学論考』(1929-42)
④九鬼:『「いき」の構造』(1930)、『講義 文学概論』(1933)、『押韻論』(1930-31)
テキスト・参考文献 授業中に紹介する
教官 頼住 光子 種別 特殊講義 全回生
曜日・時限 前期集中 教室 未定
題目 日本の仏教思想
概要・目的 仏教が日本の思想文化に与えた影響は多大なものであり、日本の思想文化を考える上で仏教は不可欠なものである。さらに、現代の思想的なパラダイム転換の中で仏教のもつ思想的含意にも注目が集まっている。
以上を踏まえ、本授業においては、主要な日本の仏教思想家の原文をてかがりとして、思想の構造や特徴を理解する。また、日本仏教を考える前提となる仏教の基本知識についても習得する。
内容 I.仏教の成立と展開
1.仏教とは何か
2.シャカの生涯と教え
3.初期仏教と部派仏教の思想
4.大乗仏教の思想II.日本の仏教思想
5.古代日本仏教の思想
6.中世日本仏教の思想
7.近世日本仏教の思想
(1テーマあたり1~3回の授業をする予定)
テキスト・参考文献 (教科書)頼住 光子『日本の仏教思想』(北樹出版) ISBN:9784779302534
教官 岡田 勝明 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 後期 火・3 教室 文学部新館 第5講義室
題目 論理と哲学・・・東洋的論理の形
概要・目的 西田幾多郎の「場所的論理と宗教的世界観」において、西田哲学最後の一歩として「対応」ということが論じられる。絶対と絶対との言葉を超えた対応が、ロゴス(言葉、論理)の問題として考察されるのである。「非理性的なるものは、唯言葉によってのみ表現される」と言われたその「言葉」の意味合いを探求する。
西田哲学におけるロゴスの問題を論じるにあたって、称名念仏的言葉において探求された西田における言葉理解、務台理作『場所の論理学』、高山岩雄『呼応の原理』、鈴木大拙「即非の論理」等を取り上げて行く。
内容 第一週~第二週 西田哲学の概要
第三週~第四週 西田哲学における論理の問題
第五週~第七週 務台における「場所の論理」
第八週~第十週 高山における「呼応の論理」
第十一週~十三週 大拙における「即非の論理」
第十四週~第十五週 講義のまとめ
テキスト・参考文献 授業中に指示する。
教官 林 晋 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 後期 水・5 教室 総合研究2号館 第8講義室
題目 京都学派、ある思想の系譜:西田幾多郎、田辺元、西谷啓治
概要・目的 西田幾多郎と田辺元、西田幾多郎と西谷啓治が比較議論されることは多い。しかし、田辺と西谷というテーマは、今まで、殆んど取り上げられることがなかった。しかし、この二人は、ドイツに留学して同じハイデガーに師事し、その後、ハイデガー哲学との対峙が、その哲学の重要な柱となったという共通点をもち、個人的にも非常に近い関係にあったことが知られている。この二人の間に哲学的関係性がないと想定することは奇妙なことである。
それにも拘わらず、この二人の対比が成されなかった理由は、この両者の哲学が表面上は「対立」しているからであろう。田辺哲学と西谷哲学は一見大きく異なるが、実はその関係は表・裏の関係にある。種の論理の研究に当時の数学基礎論の連続体論が大きな役割を果たしていたように、田辺哲学は「数理を中心とする自然科学と切り離せない哲学」という新カント派マールブルグ学派的性格をもつ。一方で、西谷哲学の柱の一つは、自然科学的世界観がもたらす価値体系の喪失を主題とするニヒリズム論である。
これだけを見れば、両者は水と油といえるのであるが、この田辺哲学の「数理哲学的性格」を西谷が誰よりも深く理解していたことを考慮すれば、実は、この水と油の関係が、表と裏の関係として見えてくるのである。
例えば、西谷の「回互構造」は、局所的にみれば、田辺の種の論理における「切断構造」に形態的に非常に近い。しかし、大域的にみれば、西谷では、田辺の種を中心とする「種と個」のトポロジーが、回互という対等な関係に置き換えられることにより「中心」が消される。この様に解釈すれば、西谷哲学の多くは田辺哲学の裏返しとして理解することさえできるのである。
講義では、この様な田辺、西谷の関係を、両者に大きな影響を与えた西田哲学、特に、不連続の連続、一般者の自己限定、述語的論理主義などの思想、そして、西田とともに両者の師でありかつ乗り越えるべきものであったハイデガー哲学との対比を通して分析する。
内容 次の項目を、それぞれ 2-3回講義する。A. 導入部
A0. 田辺哲学:種の論理以後を中心として。
A1. 西谷哲学:ニヒリズム論と回互・空の思想を中心として。
A2. 西田哲学:不連続の連続、述語的論理主義、一般者の自己限定について。
A3.田辺・西谷哲学におけるハイデガーの影響。
A4. 歴史的背景:新カント派からハイデガー後期哲学まで。B. 分析部
B1. 田辺の切断と西谷の二つの部屋:局所構造
B2. 回互と個・種・類のトポロジーと西田哲学:大域構造
B3. 世界思想史的背景:パース、ベルグソンの「連続論」

C. 総合部
C1. 西田・田辺・西谷を貫く「一つの伝統」は見いだせるか。

毎回最後の5分程度に質問票を書いてもらう時間をとる.次回に,それの主なものに答える.

テキスト・参考文献 授業中に紹介する
その他 KULASIS以外に講義用のサイトを開設し、講義資料、参考文献などを掲示する。そのサイトのURLは最初の講義の際に伝える。
教官 氣多 雅子 種別 特殊講義 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 前期 火・4 教室 文学部新館 第3演習室
題目 西田幾多郎の後期哲学思想について
概要・目的 西田幾多郎の思想が現代の宗教哲学的課題を考察する上でどのような意義をもつかということを、多様な角度から明らかにしたい。
内容 西田の後期の思想において論じられている社会的・歴史的世界の問題について考察する。まず西田の論述をたどって、その難解な思索を追理解することをめざす。さらにその思想の可能性と問題点を追究する。ただし、この授業は予定通りに授業を進めることよりも、担当者が課題を追究しつつ行なう思索の導きに従うことを重視する。
テキスト・参考文献 教科書は使用しないが、西田幾多郎のテキストを傍らにおくと、わかりやすいであろう。

演  習

教官 藤田 正勝 種別 演習 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 前期 水・4 教室 総合研究棟 第9演習室
題目 田辺元「種の論理」
概要・目的 「種の論理」と呼ばれる田辺元の論文群は、その発表以後、「田辺哲学」という表現がされるようになったことからも見てとれるように、田辺元の思想の発展のなかで、きわめて重要な意味をもつ。これらの論文を読み解くことによって、田辺哲学の本質と意義を明らかにしたい。
内容 最初に田辺元の生涯と思想について簡単に紹介する。とくに、「種の論理」の諸論文を執筆するに至るまでの過程を見ておきたい。
そのあと、『田辺元哲学選Ⅰ 種の論理』(岩波文庫)に収録された「社会存在の論理」や「種の論理の意味を明にす」などの論文を読み進め、田辺哲学とは何か、日本の哲学の歴史のなかでそれはどのような意味をもつのか、などを明らかにしていきたい。
各回、担当者の報告をもとに、全員で議論を行うことによって、理解を深めたい。
テキスト・参考文献 『田辺元哲学選Ⅰ 種の論理』(岩波文庫)
その他
教官 芦名定道 種別 演習 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 通年 水・4 教室 キリスト教学 研究室
題目 日本・アジアのキリスト教──無教会キリスト教の系譜(2)──
概要・目的 日本・アジアのキリスト教の歴史を振り返りつつ、その新しい思想的可能性を探ることは、日本におけるキリスト教思想研究にとって重要な意味を有している。この演習では、今年度以降、無教会キリスト教の思想家たちを順次検討してゆくことによって、近代キリスト教思想の重要な局面の解明がめざされる。今年度前期は、昨年に引き続き、無教会キリスト教の創始者である内村鑑三を取り上げ、内村の中心的思想である非戦論について、その基本的テキストを精読する。後期からは、内村の後継者の一人である矢内原忠雄を扱う。
内容 本年度前期は、内村鑑三の中心思想のうち、特に非戦論に焦点をあわせつつ、内村のキリスト教思想の特徴とその意義について議論を行いたい。テキストは前年度のテキストの残りの部分が取り扱われる。後期は内村の後継者の一人である矢内原忠雄の非戦論へと考察対象を広げたい。無教会キリスト教を、キリスト教思想史における戦争・平和論(絶対平和思想、正戦論、聖戦論の諸類型。19世紀以降の国民国家のなかでのキリスト教)の中に位置づけると共に、内村以降の矢内原忠雄、南原繁、政池仁ら無教会第二世代への思想展開に留意する。そのために、内村や矢内原の基本テキストの精読とそれに基づく思想分析がなされ、あわせて、さまざまな参考文献(内村についての欧米の研究文献を含めて)を参照しつつ、議論が行われる。
具体的な演習の進め方については、初回のオリエンテーションで詳細が説明される。
テキスト・参考文献 テキストはコピーして配付する。
その他 受講者は、毎時間のテキストの予習と演習への積極的参加が求められ、特に前期後期各一回以上の発表担当が課せられる。演習に関わる質問は、オフィスアワー(木2・金3)を利用するか、メール(アドレスは、授業にて指示)で行うこと。
教官 林 晋 種別 演習 学部(3回生以上)・大学院
曜日・時限 通年 金・2 教室 文学部新館 第2講義室
題目 田辺元を読む
概要・目的 手稿・日記などの一次資料を通して過去の偉大な思索者の思想を読み解く.読み解く対象は,哲学者田辺元の種の論理が誕生した昭和9年の特殊講義「認識の形而上学」の講義準備ノートである.これは田辺の特殊な筆跡のため没後50年間,田辺哲学の専門家にも読めなかった史料だが,本演習を通して開発された「ITツールを利用する協同翻刻」の手法により,田辺哲学を理解していない学部学生でも十分翻刻ができるようになっている.また,そのことにより従来の田辺哲学像,特に「種の論理」の解釈が大きく変わりつつある.つまり,演習自体が最前線の研究なのである.この演習の目的は,このような史料とITに基づく思想史研究の面白さを経験してもらい,その手法を身につけてもらうことであり,日本哲学史を専攻していなくても,史料研究に興味をもつすべての人に役立つ演習となることを目指している.
内容 まず史料の背景を説明する講義を行い,その準備のもとで演習を行う.史料読みの演習では, 史料のオリジナルではなく,その電子画像を使かい,難解な崩し字を読むために,歴史史料研究用のツール SMART-GS を使う.出席者の知識や能力に応じて,講義と演習の比重は変化する.史料2枚(原稿用紙2枚)程度を,2名のチームで担当し,1チームが2,3週を担当することを計画しているが,参加者の人数などで変化する.
テキスト・参考文献 (関連URL)
http://sourceforge.jp/projects/smart-gs/ (演習に使うITツールのページ)
http://kyoto-gakuha.info/ (演習の成果が公開されるデジタル・アーカイブ)
http://www.shayashi.jp/xoopsMain/html/modules/wordpress/index.php?p=234 (本演習で過去に得られた成果を紹介している岩波「思想」の記事)
その他 手稿分析などに史料分析用ソフトウェアSMART-GS http://sourceforge.jp/projects/smart-gs/ を多用する.講義参加者用のノートPCを数台用意しているが,自習などを考慮し自分のPCを持ってくるとよい.データなどは,外付けハードディスクに入れて貸与する.
この演習の成果は,京都学派アーカイブ http://kyoto-gakuha.info を通して広く京都学派の研究者に公開されている.学問の最前線に貢献する楽しさを味わって欲しい.
教官 上原 麻有子 種別 卒論演習 学部
曜日・時限 隔金・3‐4 教室 日本哲学史研究室
題目 卒論演習
概要・目的
授業の目的は次の通りとする。①日本哲学の分野における論文の書き方(表現、論証、資料の調査・活用など)を習得する。②研究報告を行い、口頭による発表・議論の仕方を習得する。③卒業論文を作成する。
内容
授業は、履修者の卒業研究発表とそれに関する議論をもとに進められる。最初はまず、学術論文の
書き方について教師の側から指導する。以降、履修者は前期に研究経過報告を、また後期には最終
的な報告を、それぞれ口頭で行う。
教官 上原 麻有子 種別 演習II 大学院
曜日・時限 隔金・3‐4 教室 日本哲学史研究室
題目 日本哲学史の諸問題
概要・目的 参加者が研究発表と他の参加者との議論を通して、日本哲学史上の諸問題を掘り起こし、その理解を深めることが、この授業の目的である。
内容 授業は、参加者の研究発表と討議により構成される。初回では、概要を説明した上で発表の担当者と日程を決定する。日本哲学史を振り返り、整理するにとどまらず、これからの新たな研究の可能性についても探る場となるはずだ。

講  読

教官 田中 美子 種別 講読 学部(2回生可)
曜日・時限 前期 月・2 教室 文学部新館 第3演習室
題目 「個と孤」をテーマとする購読
概要・目的
「近代日本における個と孤のあり方」をテーマに、一度は読んでおきたい文献を取り上げる。個人主義の利点と問題点、社会的役割と個性(わたしらしさ)の相即などについて共に考えたい。授業の計画は暫定的なものであり、議論の進行や受講者の関心に応じて変更する場合がある。
内容 1.オリエンテーション
2.丸山真男「「である」ことと「する」こと」の一部
3.福沢諭吉『学問のすすめ』初篇
4.丸山真男「福沢諭吉の哲学」の一部
5.夏目漱石「私の個人主義」の一部
6.鷲田清一『だれのための仕事』の一部あるいは「生きがいが見つからない時に」
7.和辻哲郎「面とペルソナ」
8.フィードバック
9.和辻哲郎『倫理学』の一部
10.丸山真男「超国家主義の論理と心理」の一部
11.鷲田清一「シヴィル――市民が「市民」になるとき」の一部
12.福沢諭吉『福翁百話』あるいは『福翁自伝』の一部
13.九鬼周造『「いき」の構造』の一部
14.鷲田清一『じぶん・この不思議な存在』の一部
15.フィードバック
参考書等 福沢諭吉『学問のすすめ』(岩波文庫)
福沢諭吉『福翁自伝』(岩波文庫)
丸山真男『福沢諭吉の哲学他六篇』(岩波文庫)
丸山真男『日本の思想』(岩波新書)
鷲田清一『の現象学』(筑摩書房)
鷲田清一『じぶん・この不思議な存在』(講談社現代新書)
鷲田清一『くじけそうな時の臨床哲学クリニック』(ちくま学芸文庫)
夏目漱石『漱石文明論集』(岩波文庫)
和辻哲郎『和辻哲郎随筆集』(岩波文庫)
和辻哲郎『倫理学(一)』(岩波文庫)
九鬼周造『「いき」の構造』(岩波文庫)
コピーを用意する予定ですが、どの文献も入手しやすい良書であるため、できるだけ購入することを勧めたい。
その他
教官 水野 友晴 種別 講読 学部(2回生可)
曜日・時限 後期 月・3 教室 総合研究2号館 第9演習室
題目 『善の研究』基礎演習
概要・目的
『善の研究』に代表される初期西田哲学のテクスト群は、西田哲学のみならず近代日本哲学全体の土台をなしているといっても過言ではない。これらテクスト群を読み解いてゆくことは、したがって、日本哲学に関する基礎的教養を身につけるための必須作業であり、また、そのための最捷径といえるであろう。
そこで本基礎演習では『善の研究』を集中的に読み進めてゆくことにする。基本的に授業一回につき『善の研究』一章を扱い、そこにおいて議論されているテーマや基礎知識に関して学生に課題を課し、発表をしてもらう。発表後、講評、ディスカッションを通じて、『善の研究』の背景と思想的意義、さらには日本思想の有する可能性について考究してゆく。それは、「世界の中の日本」として、一個の個性を有しつつ世界形成に参画する準備的知識を獲得する作業であるともいえる。
内容 本基礎演習では、一回につき『善の研究』一章を扱う。ただし、一五回の授業回数では『善の研究』の全部を味読し尽くすことはできないので、第一編「純粋経験」(全章)と第四編「宗教」(適宜抽出)を中心に、これら二つの編を読むための基礎となる章を他の編から幾つか抽出して、スケジュールを組むことにする。具体的なスケジュールについては授業開始時に配付する。
教科書 西田幾多郎『善の研究』(岩波文庫) ISBN:978-4-00-331241-4 (『善の研究』は、岩波文庫でも版によってページ数等が異なるので、できるだけ最新版(藤田正勝注解版)を入手のこと)
『善の研究』のテキストは複数出版されているが、この授業では藤田正勝注解の岩波文庫版を使用するので購入の際には注意すること。その他の資料については、授業中に配付する。
その他

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