植原亮
「自然主義入門」
■授業の概要・目的
現代の哲学的自然主義の大枠は、存在するものはすべてある意味で自然現象であるとする存在論的な主張と、哲学は科学と同じ経験的方法によってアプローチせねばならないとする方法論的主張の二本の柱からなる。この授業では、こうした自然主義の主張と課題を概観し、その哲学上の意義を理解することを目的とする。
■授業計画と内容
まずは自然主義の典型的な姿として認識論における自然主義がどのようなものかを紹介する。次にそこに含まれる存在論的な主張と方法論的な主張を取り出してそれぞれに整理と検討を加える。そのうえで自然主義に関連の深いトピックとして、自然種の理論や認知科学の哲学、倫理の自然化、あるいは自然主義の歴史的な背景などを各論的に取り上げる予定である。授業は質疑応答をまじえながら進めたい。
1 イントロダクション(1週)
2 自然主義的認識論(3 ~4 週)
3 存在論的自然主義(2 ~ 3週)
4 方法論的自然主義(2 ~ 3週)
5 各論(3 ~ 4週)
■成績評価の方法・基準
授業への参加とレポートの提出により成績を評価する。
■教科書
必要に応じて印刷資料を配布する。
■参考書
戸田山和久『知識の哲学』(産業図書)
植原亮 『実在論と知識の自然化』((勁草書房)
金杉武司 『心の哲学入門』(勁草書房)
井頭昌彦『多元論的自然主義の可能性』(新曜社)
■その他
他にも授業中に関連する文献を紹介する予定なので、そうした文献にも積極的に取り組んでみてほしい。