2022年2月、商務印書館より『京都大學藏苗圖五種』が刊行されました。京都大学文学研究科、復旦大学文史研究院、香港城市大学中文及歴史学系の若手研究者たちを中心とする共同研究がこうした形で結実できたのは、2013年に始まる博士課程学生間の合同ワークショップを通じた交流の継続と蓄積のたまものです。本研究科からは、早川太基、陳佑真、王歓の論考が収録されています。
本書でとりあげた苗図は、清代に作成されたもので、中国国内に住むさまざまな少数民族の暮らしぶりが細やかに描かれた彩絵に説明が附されています。本書では、全冊が鮮明な画像で提示され、図録としても楽しめます。五種の苗図のうち、附属図書館所蔵の「進貢苗蛮図」(貴重書)をのぞく四種は文学研究科図書館所蔵の貴重書です。これらの貴重資料が、東アジア人文学の幅広い領域で共有される研究資源として公開されたことも大きな意義があります。
[題字:宇佐美文理]
(出版社URL: https://www.cp.com.cn/book/ecaab1f5-d.html)